幸せへのヒント「勇気づけ」
我が子の幸せを望まない親はいないと思います。
幸せの条件のひとつに「自分が好きであること」があります。
これが、満たされていないと、他の条件も満たすことができません。
では、どうすれば「自分のことが好き」と思えるようになるのでしょうか?
親の言うことに従い、勉強ができて、良い学校に行って・・・
叱咤激励されながら、優秀であり続けることがそうでしょうか?
世間では、子どもたちの起こす悲しい事件が後を絶ちません。
事件を起こした子どもたちは、自分のことを好きだと感じていたのでしょうか?
好きだと感じていれば、自分や他人を粗末に扱うようなことは
しないのではないでしょうか?
「勇気づけ」は、自分を好きと思えるように、困難に立ち向かう能力が
自分にはあると信じられるように、人々を信頼できるように
援助する方法のひとつです。
そして、勇気づけは子どもの気持ちに共感することからスタートします。
What is 勇気づけ ? |
「植物が水を必要とするように、 子どもたちは勇気を必用とする」 と、ルドルフ・ドライカースは言っています。 |
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人生で出会う様々な困難に、子どもが勇気を持って立ち 向かうためには勇気づけが欠かせません。 ※勇気づけとは、子どもが「私は能力がある」「人々は仲間だ」と思えるよう援助を して行くことです。日々の生活の中で、子どもを信頼する、責任をもたせる、 子どもの意見や助言を求める、むやみに援助の手を出さない、良さを伸ばす 子どもの価値を認め自立を促していくことなどが、勇気づけにつながります。 |
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ほめてますか?それとも勇気づけてますか? ほめられたいですか? それとも勇気づけられたいですか? |
料理はあまり得意でない私。
ある日、時間に余裕があったので、たまには手の
込んだ料理でもと思い本とにらめっこしながら大奮闘!!
そして、家族団欒夕食のひとときが。
夫の言葉 |
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「うーん、まあまあだな。お前もやれば出きるじゃないか。」 えっ?これってほめてるの?なんかうれしくないっ! |
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この一言で、・・・。 料理に時間をかけるのを、やめようと思った。 |
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気を取り直して最近、久々に手作りコロッケ。
いつもならコロッケは、めんどうなので冷凍ものやでき
あいのものですますのですが。
長女の言葉 | |
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「今日は、手作りなの?やっぱお母さんの 手作りはいいなあ♪」 |
とうれしそうに言ってくれた。味も見た目もたいしたこと
なかったんだけど娘のひとことで、また、作っちゃおう
かなと思えた。
夫には、勇気をくじかれ、娘には勇気づけられた日常のひと
コマです。こういうことってありませんか?
知らず知らずのうちに、勇気をくじかれていたり、勇気づけら
れていたりとか。
大人の私でさえ些細な言葉に反応するのですから、
子どもたちはなおさらですよね。
「ほめる」・・・能力のある人が能力のない人に「よくできました」と上から
下へと評価することです。
それは、行為をした人にあたえられます。
相手とは縦の関係。
「勇気づけ」・・・勇気づける側に、相手に対する尊敬と信頼が欠かせず、
「私は能力がある」「人々は仲間だ」と感じられるよう
に援助することです。
勇気づける言葉は、行為そのものに与えられます。
相手とは、対等な横の関係。
「今思えば、勇気づけ」 |
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独身の頃勤めていた幼稚園での出来事です。毎週金曜日は、子ども たちの送迎用の通園バスに乗るバス当番でした。そして金曜日は、 年中さんと年長さんが、幼稚園から、スイミングスクールへ行く日でもあ ります。 プールに入るのが怖くて、スイミングの日は憂鬱なYちゃん。 ある日泣きべそをかきながらスイミング用のバッグは持たず、 バスにのりました。 でも、後からそっとお母さんがバッグを私に渡しました。 結局プールに、入らなければならなくなったYちゃん。 スイミングの時間になりました。イヤイヤながらもプールにはいっています。 最初に水の中を何週か歩くのですが、体の小さいYちゃん、チャプチャプと 水が顔にかかり歩くだけで精一杯の様子・・・。 でも、私も子どもの頃水が怖かったのでYちゃんの気持ちが少しわかりまし た。辛くてもがんばっているYちゃんのけなげな姿がとても印象的でした。 |
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翌週、なぜかYちゃんニコニコしながら、おまけにスイミングバッグをしっか りと持って通園バスに元気よく乗り込んできました。これには、びっくり!! そしてお母さんが「先週、あどママ先生が、ほめてくれたって喜んでいま した。ありがとうございました。」とお母さんまでうれしそう。 ええっ?先週何か言ったっけ???私。 よくよく考えてみたけれど、帰りの通園バスのなかで、プールでの一生懸命 さが印象的だったYちゃんに対し耳元で、「今日、がんばってたね」と内緒 話みたいに言っただけでした。たった、それだけ。 私もうれしくなり、Yちゃんの笑顔に勇気づけられました♪ (当時、勇気づけという言葉は知らなかった) |
私は、勇気づけに対し苦手だし、下手だなと感じていました。勇気づける
相手に対し、何と言ったら喜んでもらえるだろうか、勇気づけられるだろ
うか?でも、うまい言葉が見つからなくて・・。でも、それはちがいました。
相手に共感し、そして私の感じたことを素直に、言葉にして伝えればいい
ことだと気づきました。
下心があるのはNGですね!!
そして、相手とは対等な横の関係でなければならない
のです。相手が子どもであっても!!
※ ルドルフ・ドライカース
アドラーの死後一時期途絶えてしまったアドラー心理学を
再び広めて行った。当時まだ十分に整備されていなかった
アドラー心理学を、今日みるような形にまとめあげ、さらに
治療技法の開発を通して実践性を高めた。アドラー心理学を
体系づけた最も重要な人物。